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企業研究


支店長対談

 平成8年度に営業所から支店に組織変更がありましたが、内部での意識改革はありましたか?

 四国三橋時代で流通業界も変革をむかえるということですね。そのへんをわかりやすく説明していただけますか?

 最後に今後の展開と、流通業界を目指す方にメッセージをお願いします。

 平成8年度に営業所から支店に組織変更がありましたが、内部での意識改革はありましたか?

■岡林
 そうですね、松山支店は表面上特に変わったものはないと思います。昨日まで営業所という呼び名が単に支店に変わったくらいでしたから。ただそれまで、どうしても「営業所」というと本社があって出先という感じだったのが、「支店」という名称に変わってからは“重み”が違ってきた。
 意識の中で地区・地域のエリア発想から、しいては愛媛県を統括していくという目標意識がさらに強くなりましたから…。別にそれまではなかったわけじゃないですよ。

■千谷
 私(坂出支店)の場合は少しありました。
 平成8年の3月に坂出流通団地に社屋移転があり、それにともない流通機能の合理化とシステム化を図った坂出支店が誕生したことです。単に社屋の新築とは考えていません。非合理的な物流形態を少しでも減らし、新しい流通体制を確立していこうというビジョンにたった変革でした。
 特に坂出は、高速広域物流において本格的な四国の表玄関になりつつあるんですよ。高速道路を利用した物流体系の変革案は以前からありました。変革は、瀬戸大橋の恩恵によってさらに身近なもの、いや切実なものになってきたわけです。なぜ切実かといいますと、われわれが県外、特に高松・岡山地区さらには神戸・大阪・福岡・東京などの大都市圏へ攻め込みやすくなった半面、むこうからも攻めやすくなった。高知はどうしてもそれまで閉ざされた市場のイメージがあったのが、瀬戸大橋の開通によって一気に開国した。そして徐々に市場の拡大 路線にともなう生き残り戦争が各社間において熾烈になってきた。
 私どもは坂出地区を前線ととらえ、一番槍、先鋒という意識でやっています。討死しないように突破する(笑)。物流のみならず情報、人の交流においても真っ先に接触できる、これを支店運営に活かすのはもちろん、SEKI全体の経営にも活かしてください、という意識です。

 四国三橋時代で流通業界も変革をむかえるということですね。そのへんをわかりやすく説明していただけますか?

■岡林
 平成10年度に今治〜尾道ルートの開通で四国の流通もまた一歩変わってくるでしょう。鳴門〜淡路島〜神戸のルートも当然視野に入れておく必要がある。わずか10年くらい前は首都圏からトラック便でも2日はかかっていたのが、今では翌日・即日があたり前ですからね。

■千谷
 そうそう、「いやぁ、船が霧で出ないんですよ」なんていいわけができなくなった(笑)。もちろん在庫はあるんですけどね。

■岡林
 在庫という観点からは、いかにムダな在庫を減らして回転率を上げてコストダウンを図るかという課題も永遠のテーマだった。この課題はPOSやコンピュータによる在庫管理などでかなり改善されたというか、ほぼ解決したよね。でもまた、その課題がひとつ片付くと、今度は少量多品種という消費者のニーズが一般的になってきた。
 家庭紙事業部は卸先が量販店を主力にしているので、真っ先に対応していかなければならなかった。極端にいえば10トンの商品も1個の商品でも、1回の運送コストは同じわけです。できれば荷はまと まった方が効率的ですよね。運ぶ回数もできれば少ない方がいい。じゃあ、素人目に考えたら、少量多品種のものをまとめてお客様のところへ卸したらどうか、となる。でも実際にはそんなコンテナヤード(物流管理倉庫)はないわけですよ。1,000種類のものを10個ずつストックしたら1万個で済むけど、1,000種類のものを1,000個もいっぺんに置いたら100万個になる。これが1万種類だったらどうなりますか?1万個しか置けない倉庫には1個ずつしか置けない計算になります。現にSEKIが取り扱う商品数は約1万個あります。多品種の商品は少量でしか扱えないということです。私たちが在庫を持てば簡単なのですが、今は商品サイクルが早いのと、実際これだけ消費者ニーズが多様化するとロングセラー商品はそう多くはない。
 ですから在庫を多く持ちすぎると、それだけリスクも大きくなるのです。このへんは長年の営業のカンと読みでやっていくしかない。数字やデータだけでははかれない生の情報を活かすのは人間ですから。これがなかったらわれわれ営業マンは不要ですよ。全部コンピュータがやればいい(笑)。

■千谷
 コンビニエンスストアを思い浮かべてください。弁当ひとつとっても、同じ弁当は数個しかないでしょう。微妙に惣菜の中身を変えて、〇〇弁当とかで差別化してます。
 もちろん食品以外にもトイレットペーパーやシャンプーなどの日常生活用品から、乾電池、カミソリの替刃、ストッキング、不祝儀袋などイザというときに必要なものもあるでしょう。
 これらはたくさんあるわけじゃない。ひとつでもそれを必要としているお客様のためにおいてあるんです。カセットテープにしたって以前は3〜4種類しかなかったものが、ノーマルポジションだのハイファイポジションだの、最近ではジャズやロック、ポピュラーなんて嗜好別にそろえていないとお客様は満足しない。カセットテープだけでこれくらいの種類は普通ですからね。

■岡林
 ですから、松山支店としてはこのへんの流通システムを効率よくするか、しないかで決まります。そこでメーカーサイドと協力しながら共同物流ルートや時間、荷物の積み降ろし作業にいたるまでをシステム化しました。1週間に何日かこの積み降ろしがあって、複数のメーカーのトラック便を仕分けていきますが現場はもう戦争ですよ。

 最後に今後の展開と、流通業界を目指す方にメッセージをお願いします。

■千谷
 立地的にみても、将来は中国地区への販路拡大を展開の中に入れています。さらに配送にかかわる人がディレクション(管理)する、またはシステマチックな仕組みづくりができる、といった管理能力が備わった人材の育成が必要でしょう。これは支店単独でなく、すでに全社あげて取り組んでいます。
 まず、どの事業部配属であれ、現場を覚えてもらうことからスタートします。課題や疑問点は机の上では解決しません。すばらしい提案や発想はすべて現場を知っていないと生まれないでしょう。どんなときでも、自分自身の目標を高く持ち、向上していこうという意欲だけは忘れないでほしいですね。

■岡林
 松山支店は、広域物流システムとOAシステムの確立を目標課題に挙げています。先ほども触れたように三橋時代をとらえたうえで、広域小売業への責任を果たしていくことです。
 自身の行動理念に『日本人としての責任』、『社会人としての責任』、『組織人としての責任』の3つの責任を掲げています。責任ということばの重みが学生時代と社会人では比較にならないくらい違ってきます。学生諸君には人生設計を明確に立て、そのために今、自分ができることやるべきことをしっかり行っていただきたいと思います。

「平成8年12月収録 」