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企業研究

12.四国400万人、広島・岡山700万人。小が大を食う時代

■武勇伝を語ろう、というのではない。関株式会社が示唆する卸売業有用論のカギ

●「高騰するトイレットペーパー」を適正価格で卸す。また、「かさばる紙は儲からない」「特売品は利益が出ない」との業界の定説をくつがえしてきた関株式会社。
 客の信任を得た大きな要因となったこれらの出来事は、不利を有利に展開する逆転の発想だった。誰もが手を出さないからこそ、やる価値がある。利益が出ない、リスクが大きいことにあえてチャレンジする姿勢こそ、価値があり社会にとって有用である。
●仮に、卸売業者が本当にこの世からなくなったとしても、この姿勢がある限り社会や顧客の信任を得て、形を変えて存続するだろうことは関株式会社の100年近い社歴が示している。
 さて、ニッポン高度紙工業(株)という企業がある。絶縁紙メーカーとして世界の70%のシェア、日本の95%というダントツのシェアを持つ株式の店頭公開企業だ。
 60年前の話だが、この企業の設立に関株式会社が大きく関与していたことはあまり知られていない。ここで学んで欲しいことは、社会に有益な事業を企図する、「商人」の姿勢をかいま見て欲しい点だ。
●また、リスクを承知で砂漠のシルクロードに隊商を出す。また、大海原に船を出す。先人たちの、ただ商才におぼれるだけではない勇敢なベンチャーマインドを我々は踏襲しなければならない。
 今日の閉塞した経済環境の中では、小手先の小知恵では決して解決しない難問が山ほどある。これを解決するためには、この勇敢なベンチャーマインドが必要である。
●この間、関株式会社は四国というわずか400万の人口しかない厳しい経済環境の中で、事業を展開してきた。また高コストの地理的条件の中で、ローコストを実現し消費者に喜ばれてきた。そして、利益を出し小売・メーカーと我々の三者で、その利益を分配し評価を受けてきた。
●広島・岡山あわせて人口は700万ある。四国とは比べものにならないほど良い経済環境だ。

■厳しい経済環境で鍛えられたベンチャーマインドと知恵は、広島・岡山でも歓迎されるはずだ

●中国筋での事業展開については、現在進行中ということもあり多くを語ることはできないが、数値でその動向を紹介しよう
   関株式会社/売上伸び率
    四国内   108%
    中国筋   138%
    (2000年1〜9月)
●四国内の同業他社と比較しても、今日の厳しい経済環境の中で108%の数値は高い。それにもまして、中国筋の138%は驚異的な数値と映るに違いない。
 しかし、我々は冷静に見ている。四国と比べ倍近い人口をベースにしている地域で、展開の立ち上がり時期としては当たり前のことである。逆に、倍々ゲームであっても不思議ではない。
●それよりも、四国で開発された知恵が中国筋でどのように評価されるのかが問題だ。厳しい環境で鍛えられた関株式会社が、中国筋の顧客に価値がある存在であれば、数値は結果的に反映されるにすぎない。
 従って、関株式会社はノルマとしての売上目標は持たない、希有な会社としてある。
●関株式会社の絶対的な目標は、顧客の信任にある。この顧客の信任をめぐって、大手同業他社との闘いが山陽道で展開されている。

■関株式会社は、メーカーの戦略にも消費動向を反映させなければならないと考えている

●メーカーには各地域にエリア別の代理店制度を設けている。
 高度経済成長の時代に、有効に機能したこのシステムは、やがて時代の変化に対応できないものとなってきた。
●その時代は、需要と供給とのバランスがとれていなかった。供給不足であった。
 従って、消費者より小売が優越し、小売より卸売が優越する。そして、頂点にメーカーが君臨する構造となっていた。やがて、大量生産システムが完成し供給過剰となる。加えて、今日の消費不況の真っ直中では、その立場は逆転した。
●この今日的状況で、メーカーは非常に苦しんでいる。メーカー主導で敷いたエリア制を、メーカー自らが打破できない矛盾に陥っているのだから、苦しさはなおさらである。
 供給者として重要な存在であるメーカーが、その機能を十二分に果たせるよう、我々卸売業者が一定の役割を果たさなければならないと考える。理にかなったことである。
●関株式会社の今後の展開から目が離せない。